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Vol.1 カルナータカ音楽の理論(基礎編)

(専門用語)  1.ナーダ 2.スワラ 3.スワラスターナ 4.ラーガ 5.ターラ

1.ナーダ … サンスクリット語で「音」のこと。自然の音(アナーガタ・ナーダ)と、人工的な音(アーガタ・ナーダ)に分けられる。


2.スワラ … 音楽で使われる音。
虹に7色があるように、サプタスワラ(7つの音)は存在する。西洋で「ドレミファソラシ」にあたるもので、インド音楽では「サリガマパダニ(SRGMPDN)」という。
これらは以下の頭文字に過ぎない。
すなわち
1, サッジャ(シャッジャ)
2, リシャバ
3, ガンダーラ
4, マッディヤマ
5, パンチャマ
6, ダイヴァタ
7, ニシャーダ
のこと。


3.スワラスターナ … 上記の7音階のうち、サとパ以外の音がそれぞれ2つのバラエティに派生した12音のこと。
12音の名称 略字
1) サッジャ(シャッジャ) サ (S)
2) スッダ・リシャバ リ1 (R1)
3) チャトシュルティ・リシャバ  リ2 (R2) 
4) サーダーラナ・ガンダーラ  ガ2 (G2)
5) アンタラ・ガンダーラ  ガ3 (G3)
6) スッダ・マッディヤマ マ1 (M1)
7) プラティ・マッディヤマ マ2 (M2)
8) パンチャマ パ (P)
9) スッダ・ダイヴァタ ダ1 (D1) 
10)チャトシュルティ・ダイヴァタ ダ2 (D2)
11)カイシキ・ニシャーダ  ニ2 (N2)
12)カーカリ・ニシャーダ  ニ3 (N3)

※ 他に、呼称は別にあるが、このうちの4音と同音のスワラがある。
  すなわち
シャトゥシュルティ・リシャバ(リ3) = サーダーラナ・ガンダーラ(ガ2)
スッダ・ガンダーラ(ガ1) = チャトシュルティ・リシャバ(リ2)
シャトゥシュルティ・ダイヴァタ(ダ3) = カイシキ・ニシャーダ(ニ2)
スッダ・ニシャーダ(ニ1) = チャトシュルティ・ダイヴァタ(ダ2)

  の4音。スワラのバラエティーとしては16音ということになる。


4.ラーガ … 上記のスワラを組み合わせた音階をラーガと呼ぶ。もともとは、「ラサ」を創造するもの、すなわち特定の感情を呼び起こすものの意。
人間一人一人のパーソナリティが違うように、数え切れないほどのラーガ一つ一つにそれぞれの美しさと特徴がある。
非常に似ているラーガを聴き分けるのは非常に敏感な耳と、経験、訓練による。
(ラーガの種類については次回改めて)


5.ターラ … 旋律をサポートするのに欠かせない拍子、リズムをターラと呼ぶ。現在使われているターラの種類は非常に限られているが、以前は非常に多くの難解なターラが存在し、偉大な音楽家たちはそれで音楽を競いあうこともあった。
ターラは右手で数えるが、ターラの種類によりその数え方は異なる。
(以下参照)

*サプタターラ(7つのターラ)
この7つは、頻繁に使われているターラの母体となるものといったほうがよいかと思う。
これらにジャーティーと呼ばれる拍数を決定付ける数
5種類 ティスラ(3) チャトラシュラ(4) カンダ(5) ミスラ(7) サンキールナ(9)
を、それぞれのターラの規律にのっとって、組み合わせることで7×5=35 のターラができる。
ターラの名称 記号
1、ドゥルヴァターラ │○││
2、マッティヤターラ  │○│
3、ルーパカターラ ○│
4、ジャンパターラ │U○
5、トリプタターラ │○○
6、アタターラ ││○○
7、エーカターラ

(記号の解説)
│・・・ラグ 先述のジャーティーをここに当てはめる。1つのターラに複数のラグがあるときは、同じジャーティーを当てはめなければいけない。
数え方は手の平に始まり、小指、薬指、中指、人差し指、親指そしてまた手の平という順。ターラは基本的に、胡坐をかいた右ひざ、または腿のあたりを叩く。
例1)カンダ ジャーティは5拍なので、1つのラグは人差し指で終わる。
例2)サンキールナ ジャーティーは9拍なので、1つのラグは2周目の中指で終わる。
○・・・ドゥルタ 2拍を含む。数え方は手の平、返して手の甲。
U・・・アヌドゥルタ 1拍を含む。数え方は手の平のみ。

上記のサプタターラにジャーティーを当てはめたときの例:
例1)トリプタターラ・・・記号は│○○
チャトラシュラ ジャーティーの場合、ラグが4拍になる。
ドゥルタは2拍×2つあるので 4+2+2=8拍となる。
このターラは別名アーディターラと呼ばれ、使用頻度が非常に多い。
例2〉ルーパカターラ・・・記号は○│
ドゥルタは2拍、チャトラシュラ ジャーティーの場合、ラグが4拍になる。
すなわち 2+4=6拍。
このターラも非常によく使用される。実地での数え方は少々異なり、手の平、手の平、手の甲(それぞれ2拍〉。 

参考文献:[THE SPLENDOUR OF SOUTH INDIAN MUSIC] Dr.P.T.Chelladurai

 

 


 

 

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